このエントリでは△3五歩突き型と読んで書いてきたものをまとめていく。この戦法は私の大学の先輩がPonaXを利用して見つけた筋であり、私もそれに便乗して使っている。その先輩は優秀だと言っているが、個人的にはかなり使いづらい戦法だと思っている。ただし研究というか予備知識を十分に持っていればその差で一気に押し切れる可能性を秘めた戦法でもある。初見での対応はいくつかのパターンに分けられるためである。

将棋の基本戦法を知っていれば理解できるようにはしていくつもりであるが、全体図を示すには私では荷が重いかもしれない。せめてここまでのエントリを体系的に理解するための指針となれば幸いである。

まず基本図を以下に示す。四間飛車側が自軍と考えられたい。
1図
0107-2

見ての通り、後手番でやる戦法だ。先手でやるとしたら美濃囲いの端歩を突いておけば似たような局面に誘導できる。先手番だと千日手になる変化があるのだが、まぁ相手がそれを知らなければ問題ない。もしやる人が増えて、対策が広まったら改めて後手番でのみ使えばいい。
さて、基本図は▲7七角に対して角交換を挑むところから始まる。よって相手が飛車先の歩を決めてこなかったとしても、△3三角は早めに上がる必要がある。
ここで▲8八玉や▲3三角成なら角交換型にするしかない。▲6六歩と角交換を拒否されれば△3五歩突きへと進むことができる。

以下▲6六歩△4三銀▲8八玉△4四銀▲3六歩 に△5二金左~△3二飛と進めて、△3五歩の仕掛けを狙う。
2図
0107-3


便宜上▲6七金としてあるが、そこでは先手の手が広い。多いのは▲9八香、▲7八金、▲6七金、▲1六歩、▲6五歩、▲3八飛など。

分かりにくいので分けて確認しておく。自分が目指すのは以下の形。
3図
 0107-4


次に相手は以下の陣形に+2手加わった形となる。
4図
0107-5


ここで相手だけ手が広いのが最初に言った使いづらさの主な要因である。

ざっと▲9八香、▲7八金、▲6七金、▲1六歩、▲6五歩、▲3八飛という手を挙げた。この内の2手が入ることになるが、▲3八飛が入っていないならば△3五歩と仕掛ける。この仕掛けが戦法の骨子だ。飛車を角の下のまま3筋の応援として使うという点で、類を見ない戦法だと思われる。3二飛型のまま石田流の仕掛けをするという戦法としてカナシスがあるが、当然ながら全く違った性格を持っている。この戦法では角は基本的に捌く駒である。 (追記:野島流が超似た戦法らしい。囲ってから動く戦法だと思っていた。というか野島流の情報が少ない)

ここまでのポイント:▲7七角に△4五歩で角交換を挑む→▲6六歩なら△4四銀~△3二飛~△3五歩戦法を狙っていく。

補足:2図で▲3八飛と来られた場合
△2二飛で、基本的には▲2八飛△3二飛▲3八飛で基本的には千日手。
【△3五歩突き型(7)】
 http://tekitoshogi.blog.jp/archives/18746451.html